ムカデの駆除と対策方法とは?もし噛まれてしまったら病院へ行くべき?
目次
ムカデは『百足』という漢字が示す通り、多くの足が特徴です。
家の中でムカデに遭遇すると驚くことでしょう。キッチンやお風呂場で見つけた時のショックは大きいですね。
そこで、ムカデの駆除・対策について詳しく解説しましょう。
また、万一噛まれてしまったときの対処法についても説明します。
ムカデに噛まれたら?症状や対処法
ムカデに噛まれたときの症状・正しい対処法について解説しましょう。
また、ムカデが一体どこから侵入するのか、疑問に思う人は多いでしょう。生態についても説明します。
ムカデに噛まれたらどんな症状が出る?
ムカデに噛まれると、毒牙が皮膚を突き刺し、急激に激しい痛みを引き起こします。通常、この痛みは数時間で和らぎますが、赤み・腫れ・かゆみ・しびれが翌日まで残るでしょう。
非常にまれなケースでは、噛まれた直後に蕁麻疹、呼吸困難、めまいなどの即時型アレルギー反応が起こることがあります。
さらに、以前にムカデに噛まれた経験がある人は、ムカデの毒に対する抗体が形成されており、免疫系が過剰に反応してアナフィラキシーショックを引き起こすリスクがあります。その際は、病院への受診が急がれます。
ムカデに噛まれてしまったら病院へ行くべき?正しい対処法
もしムカデに噛まれた場合は、直ちに清潔な水で噛まれた部位を洗い流すことが重要です。
洗浄後は、抗ヒスタミン成分を含むステロイド系の軟膏を塗布しましょう。
もしムカデに噛まれた箇所が5~6日間ステロイド軟膏を使用しても良くならない、あるいは症状が悪化した場合、または噛まれてから頭痛や吐き気といった深刻な症状が出た場合は、直ちに医師の診察を受けることをおすすめします。
また、幼児や乳児がムカデに刺された場合は、迅速に医療機関を受診し、専門医の診察を受け、適切な治療を行うことが大切です。
ムカデはどこから?巣は作るの?
ムカデは主に屋外で生息しており、廃屋や古い建物を除き、家屋内で巣を作ることは稀です。
しかし、ゴキブリやクモなどの獲物を追って家に侵入し、夜間には最大80メートルも移動するとされています。
ムカデは湿度の高い環境を好むため、地下や湿った暗所に巣を作ります。
家の中で見かけた場合、壁の隙間や床下、排水管、キッチン、バスルームなど湿気の多い場所に巣がある可能性が高いです。
自分でできるムカデの駆除方法
ムカデの駆除は自宅で行うことが可能です。
ここでは、手軽に試せる駆除方法2つと、効果的な市販殺虫剤の使用方法について紹介しましょう。
50℃以上の熱湯をムカデにかける
ムカデは高温・多湿の環境を好みますが、高熱には弱いです。
50℃以上の熱湯で駆除が可能です。
容器に熱湯を入れておき、捕獲したムカデをそこに入れる方法が安全です。トングや菜箸などを使用して、絶対に素手で触れないよう注意しましょう。
スリッパや靴でムカデを叩く
もし熱湯を使うことができない場合は、スリッパ・靴や丸めた新聞紙を使ってムカデを退治する方法もあります。
ただし、力を入れすぎて叩くと、ムカデの体液が出てしまう可能性があるため注意が必要です。ムカデが動かなくなったら、熱湯に浸して処理することで、確実に退治することができます。
部屋にムカデがいると思うと不安になるかもしれませんが、冷静に対処することが大切です。
ムカデ用の殺虫剤をかける
ムカデを発見した際は、殺虫スプレーを数秒間かけ続けることで効果的に駆除できます。
一瞬の噴射では不十分なため、持続的に数秒スプレーすることが重要です。
市販されている殺虫剤には、成分の有無によって以下の2タイプがあり、自宅の状況や家族の安全を考慮して選ぶと良いでしょう。
殺虫剤のタイプ | 効果・用法 |
殺虫成分使用 |
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殺虫成分不使用 |
|
ムカデの発見時に迅速に対処することは、重要です。
そのため、緊急時に備えて予め駆除スプレーを手元に置いておくことをおすすめします。
やってはいけないムカデ駆除方法!
ムカデはその不気味な外見だけでなく、有毒であり、触れると危険な生物です。
強力な顎を持ち、捕食や防衛の際には、その顎で噛みつき、毒を注入します。このため、噛まれた部位が腫れ、強烈な痛みを引き起こすことがあります。
ムカデを見かけた場合は、決して素手で触れず、家の中で見つけた場合は速やかに対処することが重要です。
もし噛まれてしまった場合は、軽視せず、即座に流水で洗い流しましょう。そして、不安な点があれば、医療機関を受診しましょう。
ムカデが発生しない最強対策とは
ムカデ駆除と並行して、侵入対策や環境改善にも取り組むことが重要です。
ムカデが出やすい家には、いくつかの共通点があります。
例えば、次のような特徴が挙げられます。
- ひび割れや隙間が多く、ムカデの侵入経路になっている
- 庭に落ち葉や枯れ木が積み重なっている
- 屋内の湿気が高く、こもりやすい環境である
- ゴキブリの発生が多い
もし自宅がこれらの特徴に当てはまると感じたら、速やかにムカデ対策を開始しましょう。
ムカデが発生しない最強対策は以下の通りです。
ムカデの餌となるゴキブリを駆除する
ムカデの主食の一つがゴキブリであるため、家の中にゴキブリがいると、ムカデが侵入しやすくなります。つまり、ゴキブリ対策を行うことが、間接的にムカデ対策につながるのです。
ゴキブリを寄せ付けないためには、食べ残しや調理くずなどの食べかすを放置せず、速やかに処理するようにしましょう。
湿気を防ぐ
ムカデは湿気の多い場所を好む習性があります。また、水を感知する能力を持っているため、雨水や水気のある場所に集まる傾向があります。
まず、エアコンのホース周りや植木鉢の水受けは、水を溜めないように注意しましょう。
また、台所や浴室などの水回りは使用後に水分を拭き取りましょう。水回りを乾燥させることで、ムカデが集まりにくい環境を作れます。
換気扇を回したり、戸を開けたりして、こまめに換気しましょう。シンク下は、湿気がたまりやすいので、時々戸を開けて空気を入れ替えることをおすすめします。
ムカデが侵入する隙間を防ぐ
ムカデの侵入を防ぐためには、隙間を物理的に塞ぐことが効果的です。
以下のような場所にフィルターや防虫シート、隙間シールを設置すると良いでしょう。
窓・網戸や玄関ドアとサッシの隙間
窓や玄関ドアとサッシの隙間には、モヘアシールやゴム製の隙間シールを貼ることをおすすめします。
モヘアとは毛(パイル)が集まった製品で、網戸と窓の枠が重なる部分などに設置されていますが、経年劣化によって固まり、隙間ができやすくなるので注意が必要です。
水場の排水口
ムカデは湿気のある場所を好むため、台所や浴室の排水口も侵入経路となります。排水口を使わないときは、専用のフタを閉めておくと良いでしょう。
排水口には「排水トラップ」が設置されており、水たまりがあることで下水管から虫が侵入しないようになっています。もし排水口から虫が出てくるようになったら、排水トラップの不調も考えられるので点検してみましょう。
換気口・通気口
換気口や通気口の隙間も、害虫の侵入経路となることがあります。防虫フィルターを設置することで、侵入を防ぐことができます。「虫ブロックフィルター」などは、害虫だけでなくホコリやPM2.5の侵入も防ぐ効果があるので、一石二鳥です。
換気扇
壁付タイプのプロペラファンは、壁に隙間が直接できてしまうため、ムカデなどの害虫の侵入経路となりやすいです。
換気扇用のフィルターを取り付けることで、侵入をブロックできます。
このフィルターは、防虫目的だけでなく、プロペラを油汚れから守る役割もあるので、お手入れも楽になります。
床下
家の床下は湿気がたまりやすく、ムカデのエサとなる昆虫類も集まりやすいため、ムカデにとって快適な環境です。
床下換気口という隙間から害虫が侵入するので、専用のフィルターを設置して予防しましょう。
エアコンのドレンホース、パテの隙間
エアコンのドレンホースとパテの隙間は、ムカデをはじめとする害虫の侵入経路になりやすい場所です。
エアコン内部で発生した水を室外に排出するためのドレンホース(排水管)は、虫にとっての格好の通路となり、室内まで侵入してくることがあります。ドレンホースに専用の防虫キャップを取り付けると、虫の侵入をブロックすることができます。
エアコンの配管を室外に通すために壁に開けられた穴は、通常「パテ」と呼ばれる粘土状の材料で塞がれています。しかし、このパテに隙間ができると、そこから害虫が侵入してしまう可能性があります。
パテに隙間が見つかった場合は、新しいパテを埋め直すことが重要です。
ムカデ駆除業者の料金相場とオススメ害虫駆除業者4選
会社名 | 料金 | 実績件数 | 再発時保証 | 対応エリア |
ダスキン |
標準料金27,500円〜
(調査無料) |
要問い合わせ | 要問い合わせ | 全国 |
害獣駆除100番 |
14,300円〜
(調査無料) |
要問い合わせ | 要問い合わせ | 全国 |
サニックス |
要問い合わせ
(調査無料) |
累計80万件以上 | 最長10年 | 全国 |
街角害虫駆除相談所 |
要問い合わせ
(調査無料) |
要問い合わせ | 最長5年 | 東京、埼玉、神奈川、千葉、群馬、茨城 |
ムカデ駆除の料金相場とは?
ムカデの駆除費用は、作業範囲や作業内容によって異なります。以下は目安の概算費用です。
作業場所 | 費用相場 |
庭・屋外 | 1㎡=1,000円程度
※基本的に10㎡(約6畳分)以上の範囲で作業を行うため、1万円以上の費用がかかる可能性がある |
屋内 | ・家全体の作業範囲:10~15万円
・1階部分の作業範囲:4~10万円 |
ムカデ駆除の作業内容
ムカデの駆除作業には、主に以下のような内容が含まれます。
薬剤の散布
ムカデ駆除に効果のある薬剤を使用し、ムカデとその卵を駆除します。薬剤散布は、ムカデの生息場所を中心に行います。
床下の除湿
ムカデは暗くて湿気の多い環境を好むため、床下に棲みつく可能性が高くなります。床下の湿気を取り除くことで、ムカデが住みにくい環境を作り出します。
侵入口の封鎖
ムカデの侵入経路を特定し、それらの隙間や穴を塞ぐことで、ムカデが家の中に入ってこないようにします。侵入口の封鎖は、ムカデ対策の基本中の基本です。
また、ムカデはゴキブリを餌としているため、ゴキブリの駆除もセットで行うことで、より高い効果が期待できます。ゴキブリを減らすことで、ムカデの餌が減り、ムカデの生息数も抑えられるのです。
ムカデ駆除の作業は、それぞれが重要な役割を果たしています。薬剤散布で直接的にムカデを駆除し、床下の除湿と侵入口の封鎖で、ムカデの住みにくい環境を作り出します。
ダスキン
対応エリア | 全国 |
料金 | 標準料金27,500円〜 |
受付時間 | フリーダイヤル8時~22時・年中無休 |
受付方法 | フリーダイヤル・メール |
ダスキンは、予防管理に重点を置いているのが大きな特徴です。
ダスキンの害虫駆除サービスは、戸建てやマンションなど、住居の種類を問わず利用できます。専門のスタッフが住宅を詳細に点検し、ムカデをはじめとする害虫の侵入経路を特定します。
そして、それらの経路を封鎖するなど、早めの対策を講じることで、害虫の侵入を未然に防ぐのです。
害虫駆除110番
対応エリア | 全国 |
料金 | 14,300円〜 |
受付時間 | 24時間365日 |
受付方法 | インターネットからの申し込み・電話 |
害獣駆除110番は、東証上場企業であるシェアリングテクノロジー株式会社が運営しているサービスです。ハクビシン駆除を専門としていますが、ムカデ駆除にも高い実績と専門性を持っています。
専門スタッフの知識と経験、そして丁寧な対応が高く評価されています。また、全国対応、24時間365日の受付、上場企業の運営、高い顧客満足度など、安心して依頼できるポイントが揃っています。
サニックス
対応エリア | 全国 |
料金 | 要問い合わせ |
受付時間 | 8:30〜17:30 |
受付方法 | インターネットからの申し込み・電話 |
サニックスは、一般家庭からオフィスまで幅広い施設でシロアリと害虫の駆除を行う専門業者です。
保証期間内は年に一度の定期点検を無料で実施してくれます。また、万が一再発した場合には、無料で再度の消毒の実施が可能です。
ムカデ駆除の具体的な作業としては、まず屋内外の入念な点検を行い、ムカデの生息箇所を特定します。その上で、生息・潜伏箇所に専用の液剤や粉粒剤を注入・散布する処理を行います。床下や建物の隙間など、アクセスが難しい場所では、液剤やミストの注入処理の実施が可能です。
街角害虫駆除相談所
対応エリア | 東京、埼玉、神奈川、千葉、群馬、茨城 |
料金 | 要問い合わせ |
受付時間 | 24時間365日 |
受付方法 | インターネットからの申し込み・電話 |
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ムカデに関するQ&A!ヤスデとの違いは?
ムカデに関するQ&Aを紹介します。
ムカデの卵はどんな見た目?
ムカデの繁殖期は5月から6月にかけてです。メスのムカデは一度に平均20個から50個程度の卵を産みます。
卵の大きさは、幅が約2mm、直径が約5mmほどです。
ムカデの卵は、産卵されてから約1か月で孵化します。卵から孵った幼虫は、その後約2か月の間に2回の脱皮を経て成長していきます。幼虫が成虫のムカデになるまでには、およそ3年の時間を要します。
ムカデの天敵は?
ムカデにも天敵がいます。
大型のクモがムカデを捕まえると、ムカデは身動きが取れなくなり食べられてしまいます。
カマキリやサソリなどの肉食性の強い昆虫もムカデを捕食することがあります。ムカデのエサとなるゴキブリに、ムカデ自身が捕食されてしまうこともあるのです。
トカゲやヘビ、大型のガマガエルもムカデを食べますが、いずれも小型の場合は、逆にムカデに捕食されてしまいます。
鳥類では、イソヒヨドリがムカデを好んで食べます。この鳥は、ムカデの毒に対する耐性を持っているため、ムカデを丸呑みしても問題ありません。カラスやニワトリも、ムカデを含む昆虫を食べます。
ムカデのサイズは?巨大?小さい?
ムカデとヤスデは見た目が似ていますが、生態や行動には大きな違いがあります。
ムカデの特徴と見分け方
日本に生息する一般的なムカデは、細長い体型と7〜13cmの体長が特徴で、多くの足を持っています。
一方、ヤスデは体がより短く丸みを帯びており、ムカデよりも足が短いです。
ヤスデの特徴と見分け方
ヤスデは外見が長いダンゴムシのようで、刺激されると球形に丸まる特性を持っています。
前部の3節と比較して、後部の節にはそれぞれ2本以上の脚が存在します。ムカデと比較すると、その動きは遅く、攻撃性も低めです。
体長は10mmから25mm程度で、ムカデよりも一回り小さいサイズです。
ムカデの種類や発生する時期は?
ムカデの種類や発生する時期について説明します。
ムカデの種類
ムカデは、世界中に約3,000種が確認されており、多様な種が存在しています。日本国内では、およそ140種のムカデが確認されており、それらの多くは害虫として知られています。
- トビズムカデ(オオムカデ)
- セスジアカムカデ
- アカズムカデ
- アオズムカデ
- タイワンオオムカデ
- ヤンバルオオムカデ
これらのムカデは、それぞれ異なる特徴を持ち、生息地も種によって異なります。
最も一般的に見られるのは「セスジアカムカデ」です。
この種は、体長が約4~7cmで、頭や胴体部分が赤褐色をしているのが特徴です。セスジアカムカデは、日本の多くの地域に広く分布しています。
ムカデの発生時期
ムカデは比較的暖かい環境を好む性質があるため、主に5月から6月にかけて多く発生します。この時期はムカデの産卵期にあたり、メスのムカデが卵を産み付ける時期です。
産卵期が終わると、ムカデの活動は一時的に低下し、8月ごろまではあまり活発に動き回ることはありません。
9月から10月にかけては、孵化したばかりの小さなムカデが急速に成長する時期に入ります。この時期のムカデは、成長に必要な餌を求めて活発に動き回るのです。
ムカデは、気温が15~18度以上になると活動が活発になります。
ムカデ駆除のまとめ
ムカデは夜行性で、暖かく湿気のある隙間を好む習性があります。ムカデに噛まれると、腫れが長期間引かないことがあるので、注意が必要です。
このような被害を防ぐためには、日頃からムカデの侵入対策を徹底することが欠かせません。専門業者では、ムカデをはじめとするさまざまな不快害虫の駆除サービスを提供しているので相談してみるのが賢明です。