アザミウマを徹底駆除!ネギやトマトを守る効果的な駆除・対策方法!
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アザミウマは小さな虫ですが農業界で非常に大きな脅威となっています。アザミウマは強い繁殖力を持ち、さまざまな作物に被害をもたらします。特に4月から10月の高温乾燥期において、その活動は活発化し、感染力の強いウイルスを植物に媒介することも珍しくありません。
アザミウマは世界中の農地で問題視されており、彼らが引き起こす被害は増加の一途をたどっています。さらに、アザミウマは殺虫剤への抵抗性を持ち、それが彼らの駆除をますます困難にしているのです。
本記事では、アザミウマの生態について詳しく掘り下げると共に、その防除方法や予防策について探ります。
自分でできるアザミウマ駆除方法3選
自分でできるアザミウマ駆除方法を3つ説明します。
農薬を使う
アザミウマに対し農薬の効果は種類ごとに異なります。このため、最初にアザミウマの種類を正しく識別することが非常に重要です。
アザミウマは成長サイクルが非常に短いために、同じ系統の農薬を繰り返し使用すると薬剤抵抗性を持つ新しい種が出現する可能性があります。
農薬の選択においては、ラベルに記載されているIRACコードを参照にし、同じ系統の薬剤を連続して使用しないことをおすすめします。さらに農薬を使用する際は、必ず注意事項を確認し、適切な方法で散布することが必要です。
アザミウマの被害を受けた葉ごと捨てる
アザミウマは葉に寄生するため、アザミウマの被害を受けたと見られる葉は早急に取り除くことが肝心です。葉に白または褐色の斑点がある場合や、葉の形状が異常な場合はアザミウマ寄生のサインでしょう。
これらの葉を見つけた際には、葉ごと取り除き処分することが重要で、袋で密閉するか殺虫剤を使用してから処分することが必要です。放置しておくと、アザミウマは再び戻ってくるリスクがあるため、処分の際には細心の注意を払いましょう。
天敵を活用する
アザミウマを自然の力で駆除する方法として、彼らを捕食する天敵の活用があります。スワルスキーカブリダニやククメリスカブリダニ、リモニカスカブリダニ、タイリクヒメハナカメムシなどが代表的な天敵です。
これらの天敵を利用するには、天敵製剤を購入して使用する方法と、天敵が好むバンカープランツを農場に植える方法があります。
天敵には生息に適した温度があり、それが栽培作物の生育適温に合致しているか見極めることが求められます。農薬の影響を受けやすいため、天敵を利用する際には農薬使用のタイミングを慎重に計画しましょう。また、アザミウマの被害が増える前に対策を講じることが効果的です。
アザミウマ被害の対策方法
アザミウマはガーデニングや農作物に深刻な影響を与えるため、その対策は非常に重要です。環境に優しい方法を中心に、アザミウマ被害を抑えるための3つの方法を説明します。
アザミウマ対策スプレーを作る
家庭にある材料を使って手軽に作れるアザミウマ対策スプレーは、植栽を健全に保ちながらガーデニングを楽しむのに役立ちます。市販の薬剤を使わない方法として、3つの方法を紹介しましょう。これらのスプレーは植物に負担をかけず、防虫効果を発揮します。
自家製アザミウマ対策スプレーの作り方
まず、スプレーボトルに水500mlを入れ、そこに食酢またはエタノールを大さじ2杯加えてよく振り混ぜます。このシンプルなレシピで作られたスプレーは、植物に優しい天然成分でアザミウマを寄せ付けません。化学薬品を使用したくない方や環境に配慮したい方に特におすすめです。
使い方としては、植物が直射日光を避ける朝方や夕方に、葉の表面と裏側にスプレーしてムラなく浸潤させることがポイントです。
天然成分を利用した環境に優しい対策
次に、ニームオイルや植物性石鹸水を使った方法を紹介します。ニームオイルは天然成分であり、強力な忌避効果があります。石鹸水はアルカリ性を利用しており、アザミウマが好まない環境を作ることが可能です。どちらも土壌や周辺の生態系を汚染せずに使用できます。
駆除効果を上げる組み合わせ技
ニンニクや唐辛子のエキスをスプレーに加えるという手法です。これを加えることで忌避効果が増し、アザミウマのみならず他の害虫も寄せ付け難くなります。ただし、植物に影響を与える可能性もあるため、最初は少量で試し、様子を見ながら調整してください。
木酢液を使う
木酢液は自然由来であり、化学薬品を使用しない虫除けとして知られています。殺虫効果は控えめであるため、侵入を未然に防ぐための忌避剤として適しています。無農薬でガーデニングを行いたい方にはおすすめです。
アザミウマを駆除するというよりも、寄せ付けないための忌避剤と考えてください。
反射シートを使う
アザミウマを遠ざけるには、白や銀の反射シートを活用する方法も効果的です。虫は光の角度を頼りに上下を認識し移動する性質があります。太陽の光を上から浴びることによって移動の頼りにしています。
このため、シートによる太陽光の反射は移動を困難にさせ、活動量を抑えることが可能です。これは特に畑やビニールハウスで有効で、産卵や寄生の活動を減少させる助けとなります。
これらの対策を組み合わせることで、効果的かつ環境に優しいアザミウマの管理が可能となり、安全で持続可能なガーデニングライフを実現できます。
アザミウマの被害と発生原因
アザミウマは幅広い作物に被害をもたらし、その生息域は非常に多様です。一般的にその名の通りアザミやタンポポといった雑草に被害が多く見られます。アザミウマは、特に複数の作物が共に栽培されている場所や、雑草の繁茂した地域では特に発生が多くなります。
さらに、市場から購入された株や苗木がアザミウマを持ち込むケースも少なくありません。アザミウマは種によって好む場所が違いますが、共通して植物に寄生します。
例えば、花に寄生する場合、茶色や白の斑点が花全体に広がり、重度の被害が続くと花が開花できなくなるでしょう。
葉への寄生は脱色や白斑、そして萎縮や奇形を引き起こし、果実では特にがく近くの表皮がかさぶた状または凸凹状になることがあります。これが進行すると、果実は正常に成長することができず、場合によっては結実そのものが阻害されてしまいます。
また、アザミウマは黒い排泄物を残し、寄生箇所を汚したり、ウイルス病を媒介する恐れもあるため、注意が必要です。
アガベに食害を引き起こす
アガベの輸入株では特にアザミウマによる食害が問題視されています。この被害は株自体にかさぶた状の損傷を残します。成長点が食べられることにより生育不良が起こる場合もありますが、軽度であれば枯死することは少ないです。
しかし、アガベの観賞植物としての価値は大きく低下します。アザミウマは新しい芽を特に好み、葉の付け根奥深くまで食害の跡を残します。薬剤がこの奥深くまで届きにくいため、対策が難しいのが現状です。
アザミウマの被害に遭いやすい植物は?
アザミウマの被害に遭いやすい植物として、特にバラやカーネーション、マリーゴールドなどの花が挙げられます。野菜ではナスやトマト、ピーマン、ネギ、アスパラガス、キュウリ、ゴーヤといったナス科やウリ科の作物が主に被害を受けやすいとされています。
また、果物ではイチゴ、柿、ブドウ、柑橘類が狙われ、アザミウマは、果実栽培における大敵です。
- 花卉 : バラ・カーネーション・マリーゴールド・アジサイ・シクラメン・ツバキ
- 野菜 : ナス・トマト・ピーマン・ネギ・アスパラ・キュウリ・ゴーヤ・春菊
- 果実 : スイカ・メロン・いちご・柿・ブドウ・柑橘類
アザミウマはどこからやってくる?
アザミウマは、農作物や草花など、多くの植物に寄生します。そのため、作物を多く育てていたり、草花が生い茂っている場所に発生します。
アザミウマは一体どこからやってくるのでしょうか?
アザミウマは羽が生えていますが、飛行能力は高くありません。
しかし、風に乗って遠距離を移動することが可能です。離れた場所から風に運ばれたアザミウマが、農作物に寄生して被害を拡大するケースは少なくありません。
アザミウマ駆除のまとめ
今回はアザミウマの被害や駆除する方法を解説しました。
露地栽培でも施設栽培でも多くの作物に加害し病害虫アザミウマは厄介です。アザミウマは、生長サイクルの速さから薬剤抵抗性が発達しやすいため、農薬だけに頼らず複合的な対策を取り入れた防除を実施することが大切です。
アザミウマは極小で、ガクの裏などに隠れて見落としがちですが、適切な予防を行い、万一発生した際には、効果的な対策を講じましょう。